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数学の教科書


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 取りあえず、これまで実際に講義で、教科書または参考書として使ったことのある本を挙げておく。
 検定がないせいで、大学で使う教科書は山ほど、言うなれば、腐るほどにもある。教科書を使わない講義もしたことがあるが、学生が不安に思うようで、特別な場合以外は、特に初年級の講義では使わない人の方が珍しい。使わない講義のできる環境にいる人は、置かれている環境に感謝すべきだろう。
 だから、講義を受けている、または受けたことのある学生で、その教科書と感性が合わない場合、不幸なことになる。不幸なのは使っている教師の方も同様で、感性の合わない教科書を使うと、使いながら何故こんな書き方をするんだと学生の前でぼやくことになる。
 もしかすると他の人は違うのかも知れないが、僕はめったに講義の予習をしていかない。予習しなくても教科書ぐらいその場で読めなくてプロと言えるかという自負ももちろんあるのだが、予習していくと講義があまりにすらすらと進むことになる。しゃべっている方は快調で気持ちがよいのだが、学生はぼうぜんと目の前を通り過ぎていく数学を眺めることになる。幾度かはしてみたがそれから2度とやらない。
 予習していかないとさすがにところどころ支(つか)える。話題が切り替わるちょっとの間にちらっと教科書を読む。大抵は予想していたことが書いてあるからいいのだが、時々は予想が外れ、それがまた面白い。しかしたまには、認めにくい外し方の本がある。そうなると教科書とけんかしながら講義をすることになる。
 全面的に感性にあった本は一冊もない。だから、毎回教科書を変える。それで出来たリストである。何がしかの良さがあるから教科書として選んだのだから、このリストはそれなりの推薦図書である。
 自分で勉強しようとする人の参考になればと思ってここに挙げる。いくつかは、教科書として使ってみようと思ったが、事情があって果たしていないものもある。
 おもに、微積分・線形代数・一般数学(文科系を含む)などのである。それぞれに特徴があり、対象となる学生層に合わせたつもりがそうはならなかったことも多い。使ってみると案外駄目な、というか使いにくい本もあったし、案に相違して出来の良い本もある。当分は本に関するコメントは避ける。直接間接に先生であったり知人であったりする。モノを言うには幾分かの覚悟がいるのです。
 挙げているうちに数学科の学生に対する講義の教科書も入れてしまった。トポロジーを教えることが多かったので手当たり次第に使ってみた。
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A

アイグナーツィーグラー 『天書の証明』蟹江幸博訳)シュプリンガー・フェアラーク東京(2002.12.28)
足立恒雄+廣瀬健+郡敏昭『数学の方法-直観的イメージから数学的対象へ』共立出版
有馬哲+石村貞男 『よくわかる微分積分』東京図書 (1988)
V.I.アーノルド 『カタストロフ理論』(蟹江幸博訳)現代数学社
V.I.アーノルド 『常微分方程式』(足立正久+今西英器訳)現代数学社(1981)
V.I.Arnold(アーノルド) 数理解析のパイオニアたち』(蟹江幸博訳)シュプリンガー東京(1999.7.8), Huygens & Barrow, Newton & Hooke -- Pioneers in mathematical humanind and catastrophe theory from evolvents to quasicrystals, Birkhauser(1990)
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B

J.D.ビースリー 『ゲームと競技の数学 遊びのサイエンス』(中村義作訳)サイエンス社、The Mathematics of Games by J.D.Beasley(1989)
ボルチャンスキー 『図形の等積と分解合同』(木村君男+銀林浩訳)数学新書、東京図書 by Bolchanskii
ブラジス+ミンコフスキー+ハルチェルバ 『詭弁的推論』(千田健吾+筒井高胤訳)東京図書(1965,1994)、原著はロシア語(1959) by V.M.Bradis, V.L.Minkovskii & A.K.Kharcherba
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C

H.カルタン 『複素関数論』(高橋禮司訳)岩波書店(1965)、Theorie elementaire des fonctions analytiques d'une ou plusieur variables complexes, Paris(1963), by Henri Cartan
W.G.チン+N.E.スチーンロッド 『初歩のトポロジー』(野口広訳)SMSG新数学双書1,河出書房新社(1969)、First Concepts of Topology, by W.G.Chinn & N.E.Steenrod(1966)
R.クーラントH.ロビンズ 『数学とは何か』(森口繁一監訳)岩波書店(1966)、What is Mathematics? -- an Elementary Approach to Ideas and Methods--, by R.Courant and H.Robbins (1941)
クロウェル+フォックス 『結び目の理論』(寺坂英孝+野口広訳)岩波書店、Introduction to Knot Theory, by R.H.Crowell & R.H.Fox(1963)
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D

R.デーデキント1831-1916『数について』(河野伊三郎訳)岩波文庫Was sind und sollen die Zahlen ?(1888)
W.ダンハム『数学の宇宙-アルファベット順の旅』(中村由子訳)現代数学社(1997),An Alphabetical Journey Through the Great Proofs, Problems, Personalities, by William Dunham(1994)
W.ダンハム『数学の知性』(中村由子訳)現代数学社(1998)
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E

H.D.エビングハウス他 『数 上下』(成木勇夫訳)シュプリンガー東京、Zahlen, ed. by H.D.Ebbinghaus(1983,1988)
ユークリッド『幾何学原論』(中村幸四郎訳)共立出版、ΕΥΚΛΕΙΔΥ、ΣΤΟΙΧΕΙΑ
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F

H.フランダース『微分形式の理論』(岩堀長慶訳)岩波書店、Differential Forms, Academic Press by H.Flanders(1967)
A.I.フォーサイス+T.A.キーナン+E.L.オーガニック+W.ステンバーグ『改訂 コンピュータサイエンス入門1,2』(浦昭二訳)培風館(1978)、Computer Science:A First Course, 2nded., by A.I.Forsythe, T.A.Keenan, E.L.Organick & W.Stenberg(1978)
ドミトリ・フォミーン+セルゲイ・ゲンキン+イリヤ・イテンベルク『数学のひろば-柔らかい思考を育てる問題集-I』(志賀浩二+田中紀子訳)岩波書店(1998)、Mathematical Circles, by Dmitri Fomin, Sergey Genkin, Ilia Itenberg(1966)
D.B.フックスタバチニコフ 『本格数学練習帳I,II,III』蟹江幸博訳)岩波書店(2012) (Mathematical omnibus: thirty lectures on classic mathematics)(2007).
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G

銀林浩 『初等整数論入門』国土社(1966)
ゲイドマン,サビトフ,スミルノフ『モスクワの数学ひろば第2巻:幾何篇 面積・体積・トポロジー』(蟹江幸博訳)海鳴社(2007.3.1)(ゲイドマン「多角形の面積」,サビトフ「多面体の体積」,スミルノフ「閉曲面を巡って」)
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H

E.ハイラーG.ワナー解析教程 上下』(蟹江幸博訳)シュプリンガー東京(1997)、Analysis by Its History, by E.Hairer & G.Wanner(1995)
N.ハーツフィールド+G.リンゲル 『グラフ理論入門』(鈴木晋一訳)サイエンス社、Pearls in Graph Theory by Nora Hartsfield & Gerhard Ringel(1990)
畠山洋二『多様体入門』森北出版(1976)
服部晶夫『多様体』岩波是全書(1976)
J.M.ヘンレ 『集合論問題ゼミ』(一松信訳)シュプリンガー東京(1987)
一松信 『教室に電卓を!(I),(II),(III)』海鳴社(1980,1981)
一松信 『石とりゲームの数理』数学ライブラリー(教養篇)2 森北出版(1968)
一松信『解析学序説、上下』裳華房
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I

稲垣武 『一般集合論』近代数学選書、至文堂(1964)
岩堀長慶『合同変換群の話-幾何学の形での群論演習』現代数学社(1974)
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J

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K

梶原譲二『微積分学』森北出版(1985)
笠原皓司『微分積分学』サイエンス社
笠原皓司『教養課程 線形代数学』サイエンス社
加藤十吉『トポロジー』サイエンス社
児玉之宏『位相幾何学』数学ライブラリー、森北出版(1970)
小針哯宏 『確率・統計入門』岩波書店(1973)
コルモゴロフ1903-+フォミーン1917- 『函数解析の基礎 第2版』(山崎三郎訳)岩波書店(1971)、原著はロシア語(1968) by A.N.Kolmogorov & S.V.Fomin
近藤基吉+井関清志 『現代数学の黎明期 近代数学 上下』日本評論社 (1986)
コワレフスカヤ 『ソーニャ・コヴァレフスカヤ-自伝と追想』(野上彌生子訳)岩波文庫(1933)
久賀道郎 『ガロアの夢-群論と微分方程式-』日本評論社
草場公邦 『行列特論』裳華房
黒木哲徳+小野田信春 『TEXT 線形代数』共立出版(1991)
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L

S.ラング 『ラング 解析入門』(松阪+片山訳)岩波書店
S.ラング 『ラング現代微積分学1』(山中健+伊志嶺雅子+森河冨美子訳)ダイヤモンド社、 Analysis I by Serge Lang(1968)
S.ラング 『数学の美しさを体験しよう--三つの公開講座』(宮本俊雄訳)森北出版(1989)、 The Beauty of Mathematics, by Serge Lang(1984)
L.C.ラーソン 『数学発想ゼミナール1,2』(秋山仁+飯田博和訳)シュプリンガー東京(1986)
A.レニイ 『数学についての三つの対話』(好田順治訳)講談社ブルーバックス272
J.E.リトルウッド 『リトルウッドの数学スクランブル』(金光滋訳)近代科学社(1990) Littlewood's Miscellany, ed.by Bela Bollobas(1986)
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M

松本幸夫 『4次元のトポロジー』日本評論社
松本幸夫『トポロジー入門』岩波書店
松島与三1932- 『多様体入門』裳華房(1975)
J.ミルナー 『微分トポロジー講義』(蟹江幸博訳)シュプリンガーフェアラーク東京(1998年)、Topology from the Differential Viewpoint by John Milnor, Virginia Univ.Press(1965) and Princeton Univ.Press(1997)
溝畑茂『数学解析 上下』朝倉書店(1973)
森繁雄+九賀道郎+志村五郎+山崎圭次郎 『微分積分學演習提要』丸善(1954)
森毅 『gay math 1 現代の古典解析-微積分基礎課程-』日本評論社
森毅 『ベクトル解析』国土社(1966/Apr.20)
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N

永田雅宜『集合論入門』数学ライブラリー21、森北出版(1970)
永田雅宜『抽象代数への入門』基礎数学シリーズ1、朝倉出版(1967)
中岡稔『位相数学入門』基礎数学シリーズ、朝倉書店
難波誠 『微分積分12章』日本評論社(1995)
難波誠 『微分積分学』裳華房(1996)
根上生也 『グラフ理論3段階』アウト・オブ・コース2、遊星社
D.J.ニューマン 『数学問題ゼミナール』(一松信訳)シュプリンガー東京
野口広『カタストロフィー』サイエンス社
野崎昭弘 『詭弁論理学』中公新書448(1976)
野崎昭弘 『逆説論理学』中公新書593(1980)
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O

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P

ジョン・アレン・パウロス 『数字するヒント-コラムで読む数学事典』(河野至恩訳)白揚社(1997)、 Beyond Numeracy, by John Allen Paulos(1991).
G.ポリア『いかにして問題をとくか』(柿内賢信訳)丸善(1954)、How to Solve It, by George Polya(1945).
G.ポリア 『数学の発見はいかになされるか1 機能と類比』(柴垣和三雄訳)丸善
L.S.ポントリャーギン『常微分方程式(新版)』(千葉克裕訳)共立出版(1968),原書(1965)はロシア語。(L.S.Pontryagin=Л.С.Понтрягин)
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R

H.ラーデマッヘルO.テープリッツ 『数と図形』(山崎三郎+鹿野健訳)日本評論社(1989)、Von Zahlen und Figuren by Hans Rademacher & Otto Toeplitz(1930)
コンスタンス・レイド 『ゼロから無限へ-数論の世界を訪ねて』(芹沢正三訳) 講談社ブルーバックス B177(1971)、From Zero to Infinity by Constance Reid
A.レニイ 『数学についての三つの対話』(好田順治訳)講談社ブルーバックス272 by Alfred Reny
リンド数学パピルス』(平田寛監訳+吉成薫訳)朝倉書店 Rhind Papirus (1858)

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S

斎藤正彦『線型代数入門』東京大学出版会
齋藤利弥『力学系入門』基礎数学シリーズ、朝倉書店
笹尾靖也1955-『代数的位相幾何学』数学全書9,森北出版(1975)
佐武一郎 『線形代数学(行列と行列式)』数学選書1裳華房(1958)
佐武一郎『線形代数』共立講座 21世紀の数学2、共立出版
I.J.シェーンベルク 『数学点描』(三村護訳)近代科学社(1989)、Mathematical Time Exposures, by I.J.Schoenberg(1982)
サイエンティフィク・アメリカン編 『現代数学の世界5 科学と数学』(遠山啓監訳)ブルー・バックスB235 Mathematics in the Modern World by Scientific American(1968)
W.シェルピンスキー 『ピタゴラスの三角形』(銀林浩訳)東京図書(1993)、Pythagoras Triangles by W.Sierpinskii 原書はポーランド語、ロシア語訳(1959)からの翻訳
瀬山士郎 『はじめての現代数学』講談社現代新書909(1988)
志賀弘典1944-『数学の領域:知の世界のガイドツアー』日本評論社(1995.4)
静間良次『位相』サイエンス社
I.M.シンガー+J.A.ソープ『トポロジーと幾何学入門』(松江広文+一楽重雄訳)培風館、 by I.M.Singer & J.A.Thorpe
S.スメールM.W.ハーシュ『力学系入門』(田村一郎+水谷忠良+新井紀久子訳)岩波書店(1976)、Differential Equations, Dynamical Systems, and Linear Algebra, Academic Press, New York(1974) by Stephen Smale & Morris W.Hirsch (1978)
H.スタインハウス 『数学スナップショット-生活と数学-』(遠山啓訳)紀伊國屋書店(1957)、Mathematical Snapshots by H.Steinhaus(1938)
スピバック『多変数解析学』東京図書、by M.D.Spivak
シャーマン・スタイン 『数の力-暮らしの中の楽しい数学』(関口香里訳)海文堂出版(1997)、Strength of Numbers, by Sherman K.Stein(1996)
イアン・スチュアート 『数学の冒険』(雨宮一郎訳)紀伊國屋書店(1990)、The Problems of Mathematics, by Ian Stewart(1987)
イアン・スチュアート 『スチュアート教授のおもしろ数学入門』(山崎秀記+坂井公+田中裕一訳)日経サイエンス社(1993)、Another Fine Math You've Got Me Into ..., by Ian Stewart(1992)
菅原正博『位相への入門』基礎数学シリーズ、朝倉書店
菅原正博『位相幾何学』現代数学レクチャーズB-2、培風館
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T

田島一郎 『解析入門』岩波全書
高木貞治 『改訂第3版 解析概論』岩波書店(1938,1943,1961)
田村一郎『トポロジー』岩波全書
田村一郎『葉層のトポロジー』数学選書、岩波書店(1976/Apr.30)
遠山啓 『初等整数論』日本評論社(1972)
ガボー・トス 『数学名所案内:代数と幾何のきらめき 上下』蟹江幸博訳)シュプリンガー・フェアラーク東京(上:1999.12.31,下:2000.1.31), Glimpses of Algebra and Geometry, Springer Verlag by Gabor Toth(1998)
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U

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V

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W

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Y

山内恭彦1902-+杉浦光夫1928-『連続群論入門』新数学シリーズ(1960)培風館
横田一郎 『群と位相』裳華房(1971)
吉田耕作+加藤敏夫『大学演習 応用数学I』裳華房
吉田洋一『函数論第2版』岩波全書


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