TOSM(数学教育研究会)TOSMシンポジウム ホームぺージへ 掲示板メニュー


第2回 TOSMシンポジウム 開催のお礼


 第2回TOSMシンポジウム・岐阜'96は以下の要領で開催されました。 40名を越える方々が参加され、明るい雰囲気で発言も活発で、主催者一同有り難く思っております。
 シンポジウムの報告はTOSM岐阜でご覧下さい。 出席者の写真も掲載してありますし、講演要旨、討論の様子も記載されています。また、TOSM三重月例会会員として参加した丸林氏の報告もご覧下さい。
 資料の序文を再録しておきます。TOSMのあり方についての簡単なまとめになっています。
 また次回のシンポジウムは1997年8月初旬の日曜日、福井大学で開催したいと思っております。次回のシンポジウムについては、テーマや運営方法など、皆様のご意見・ご提案を参考にさせていただきたいと思います。
是非、TOSMシンポへの提案掲示板へ (今は訪問者掲示板と同じですが、シンポジウムへの意見掲示が増えてくれば独立させます)。
 日時: 1996年8月11日(日)13:00より-16:30
 場所:  岐阜市柳戸1ー1(岐阜大学教育学部 B101,B102教室)

  第一部:講演会 13:00−14:30
    「教育学部の大学院と数学教育」
     講師:中馬悟朗(岐阜大学教授)
     ・岐阜大学教育学部の大学院について
     ・教育学部の数学での研究(論文)テーマの統計・分類

  第二部:パネル討論 15:00−16:30
    「‘数学離れ’をどうする!」
     司会:蟹江幸博(三重大学教授)
     パネリスト
        黒木哲徳(福井大学教授)
        中馬悟朗(岐阜大学教授)
        有房幸代(福井県坂井郡金津町立金津小学校教諭)
        曽我昇平(岐阜県加茂郡坂祝町立坂祝中学校教諭)
        中条政紀(三重県高校数学研究会会長)

シンポジウムの趣旨

  研究グループTOSMでは、数学教育に関して学校の教育現場と大学における数学の研究者との接点を見いだす観点から活動を進めてきました。それは、地域の国立大学の教育学部が本来地域に開かれた大学として果たすべき役割の一つであります。
  特に、今日の数学教育の抱える「数学嫌い」や「数学離れ」はとても大きな問題であります。将来の我が国の目指すべき方向としては「技術創造立国」ということが叫ばれています。もはや、模倣をハード面に生かすだけでは次世代を切り開くのは困難な時代を迎えたということであります。「創造」というのは言葉でいうほど容易なことではありません。その基本にある考え方の中に数学的な思考や処理の仕方が深く関わっていることは否定のできないことではないでしょうか?今日の数学教育の抱える問題は単に学校教育の問題だけでなく社会全体の問題として教師や教育者はもちろんのこと数学の専門家にとってもとても重要な問題だと考えられます。
  私たちは数学者として教育現場の第一線で活躍されている教師の方々との討論を通して教師教育の在り方や教育学部における研究の在り方などを追求し、現場の教師の方にとって大学が現実的な核となれる状況を構築したいと考えています。そのために教育現場の教師の方々の現状を反映していただき実りある討論ができますよう力を貸していただきたいと思っております。
  すでにTOSMでは一昨年に第一回のシンポジウムを福井にて開催いたしました。その他、アンケート調査などを通して教師教育に関する地道な活動を続けております。
  是非、多くの現場の先生方に参加していただき、いろいろな意見を聞かせていただけることを期待しております。TOSMは、特定の学会や団体の意見を代表している訳では有りませんので、特別の規約や規則や参加資格は有りません。従って、全く自由な立場で奮って参加していただきたいと思います。
トップに戻る。

第2回 TOSMシンポジウム(丸林メモ)


 次の三つの観点について,小学校,中学校,高等学校,大学の立場から,以下のような意見が出された.

(1)制度

 ・センター試験等の入試制度による,現場(高校)の数学教育への影響が大である.
 ・中学校でも高校入試の影響が三年生の後半には大きくなる.
 ・高校,中学でも早い学年から入試の影響を受ける傾向にある.

(2)社会的状況

 ・数学離れの前に,勉強することの意義を社会全体が,以前ほど重要視しない状況にある.この状況が最近の日本に固有であることの認識がすくないことも問題である.
 ・中学では,郡部の中学では素朴に授業できるが,市内の中学では,塾の影響が学校の授業に現れる.

(3)教師自身

 ・中学では,理科や社会の教師は,日頃から教材集めに積極的であるが,数学教師は消極的である.やはり数学教師も教材研究にもっと時間を割く必要がある.   ・・・この意見には中学だけでなく,小学校,高等学校でもいえることで,反省を迫られることであろう.
 ・教師自身が勉強することの意義を重視する.
   ・・・これはすべての学校の教師にいえることであろう.
 ・数学にもっと数学教師が興味を持ち,学ぶ意欲を自ら持つとともに,生徒にも数学のおもしろさを伝えることが大切である.・・・これは小学校の先生の意見で,中学,高校の数学教師はもっと深刻に考える必要があろう.

全体に感じられたこと

 ・今回のシンポジウムでは,小学校,中学校(福井県,岐阜県)の先生から特にそれぞれの立場から貴重な意見を出していただいた.
 ・三重県からの小・中学校の先生の参加が欲しかった.
 ・高校の先生の意見がもう少しあればと思われた.
 ・小・中・高・大の境界や関連の分野についての議論もほしかった.
 ・次回の福井大会ではさらに発展して,小学校,中学校,高校の教師としての必要な数学的な素養についての議論を望みたい.また,従来,教育現場では困難であった数学的素養を身につける方法論などの実践報告を聞いてみたい.
  (以上 TOSM三重月例会メンバー 津西高校 丸林氏 の報告)
トップ  月例会