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 小学館プロフェッショナル英和辞典 物質・工学編

 小学館にはプログレッシブ英和辞典という売れ筋の英和辞典があります.
 ほかの出版社からも多くの英和辞典が出ています.
 それらは大学受験のためのものであると思われているせいもありますが,大学に入ってから専門に進んだ時にこれらの辞典には載っていないものが必要になることが多いものです.
 大学に入ってから,受験用よりも程度の高い辞書が欲しいと思っても,大辞典と呼ばれるものもいくつかあるが,文学を中心とした文科系の辞書しかない.英語で書かれたOxfordなどの大辞典もあるが,何十巻という大部のものでも,大学での学びにちょうど良いものがない.

 小学館にもランダムハウスの英英辞典の翻訳がある.いい辞書だと思う.僕も持っていて,ほかの辞書では得られない情報も得たことがある.しかし,日本の多くの大学生には大部すぎる。
 小学館はそこに目をつけた.そこに需要があると思ったし,実際に需要があるはずで,それを満たすべく,プロフェッショナル英和辞典のシリーズを企画した.
 3冊,物質・工学編(本書)と生命科学編と社会科学編をつくる.大学院に入ってその分野のプロになってしまえば,もはや辞書に載っているかどうかなどというレベルではなくなるが,それまでには,そこのレベルに達するまでに役に立つような辞書のシリーズである.
 本書は2004年6月30日発行である.まえがきには,そういう経緯を書いておいた.
 まえがきを書くということは,それなりにこの辞書に責任を持つということである.共同編集に名前のある堀内克明氏は英語学者として著名な方で,プログレッシブ英和辞典の編集にも,それ以外の多くの辞書の編集やら著書がある.ウィキペディアにも彼のページがあり,本書もその業績としてあがっているが,なぜか,そこでの共編者の名前に誤植があって,「寺尾幸博」となっている.多分,この項目を書いた人が英語学関係の人で、僕の名前(蟹江幸博)を見て,あまりに見慣れないので,頭と手との連携がうまくいかず,つい打ち間違ったのだと思う.
 さらに言えば,この辞書は期待したほどには売れていない.小学館は戦略を間違ったのだと思う.多くの学生に買ってもらおうと,最初から廉価版のポケット版を作ったのだ.ある程度認知が進んでからなら良かったのだと思う.一気に売れ行きが増したという可能性もある.しかし,最初からポケット版であったために,本辞書の優秀性が認知されなかったようである.
 あまり書けない事情によって,本辞書の数学の項目でも3分の2ほどは僕が書いたが,それ以外は数学者ではなく工学の人だったので,数学として訂正な書き方だっとは言いにくいところがある.それでも,多くの人には充分役に立つと思う.
 そこで,数学の部分だけ取り出して,解説を充実させたものを作りませんかと編集の人と相談したのだけれど,やはり,この辞書で成功しなかったことのためにだろうか,企画は通らなかった.  その企画をほかの出版社に持ち込んでいいかと編集者を通して小学館に訊いてもらったら,何年か経って構わないという感じの返事が来た.そこで,あちこちの出版社に声を掛け,近代科学社から承諾を得た.
 項目数はあまり変えず解説付きのものを出すのはそれほど大変な手間ではないが,一度心ゆくまで用語を集めてみたいと思ってもいた.相談の結果,2冊出そうということになった. しかし,どちらかを先にしなければならない.そこで,用語をできるだけ多く集めたものを先に作ることになった.それから,長い月日が経ち,やっと一応の完成を見た.それが下記の<『数学用語英和辞典』である.HPも作ったので,見に行って欲しい.

まえがき

『数学用語英和辞典』
人名索引
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 イヤー,これは大変でした.
 その分役に立つものになっていると思っています.
基本的には数学の部分の担当で,項目の選び直しや,数式の扱いなどの編集もしました. 数学の項目の多くは僕が執筆したものです. (理系の)諸学の基礎としての数学の数学の知識が曖昧なまま,多くの理科系の仕事がなされており, そこに危うさを感じていた所為もあって,かなり踏み込んだ記述をした項目も多くなってしまいました. この種の辞書に要求されているよりも詳しい記述になっているかもしれません. さらに,初等中等教育での数学的内容の英語表現に付いてもかなり網羅的に項目を立てました. 時間の制約もあって,すべてを完全にはコントロールできなかったので,すべての責任をとるというわけにはいきませんが, 問題があるようなら,改訂の都度,反映していくことは出来ると思います.
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