Hamilton MyBookのホーム人名索引数学者の伝記

ハミルトン (William Rowan Hamilton)

 1805.8.3-1865.9.2.
 アイルランド、ダブリンに生まれ、ダブリンに死す。


この写真は Mathematical Intelligencer, 13-3(1996) の切手のコーナーから採録したもの。

 数学・物理学・天文学者。幼時から天才を謳われる。5才で、ラテン語、ギリシア語、ヘブライ語を学ぶ。叔父による英才教育。
1820年(15才)頃ニュートンの『プリンキピア』を読み、'22年ラプラスの天体力学の誤りを訂正。このころ、アイルランドの天文学者であるジョン・ブリンクリーは、
「この若者はこの時代の第一の数学者に、なるだろうとは言わない。現にそうなのである。」
と絶賛している。ダブリンのトリニティ・カレッジ在学中にダンシング天文台長とトリニティ・カレッジの天文学教授になる(1827)。
 力学系、微分方程式論、変分法に大きな貢献。ハミルトン・ヤコビの方程式。ハミルトニアン。ハミルトンの正準方程式。ハミルトンの原理。
 最初の非可換代数である四元数を発見。
  i2=j2=k2=ijk=-1
 「ベクトル」「結合法則」の命名。

文献
  1. On a General Method in Dynamics『力学の一般的方法』, 1834.
  2. Lectures on Quaternions『四元数講義』, 1853
  3. Elements of Quaternions『四元数の基礎』, 1866。『講義』の記述に不満で、死ぬまで書き直していたもの。死後、息子の序文付きで出版。ドイツ語訳(1882)。