蟹江幸博マセマティックス・ラボラトリーです.
 数学と数学の正しい普及のための何でも研究所ということでしょうか.所員一人の,秘書すらいない個人研究所ですので,できることは限られていますが,僕にできることなら何でもしてみようという気だけはあります.かなり広くて深いサイトになっていますが,その中の項目でのご指摘・ご要望があれば,また何か扱ってほしいテーマがあればお知らせください.
 この表紙はあまり頻繁に変わっていませんが,
本の部屋人名索引はかなり頻繁に更新されています.研究所長は無精者なので,自分のパソコンの中では頻繁ですが,それを公開のページにアップするのを時どき忘れることがあります.お叱りのメールをお送りください.旅行していたり,寝込んでいない限り,1日2日の間にはアップすることをお約束します.  
     

かにえマスラボへようこそ


 

 忘れ物の1つではないけれど,原書の改版が繰り返されていたので,その日本語訳もとときどき出版社に打診していたのですが,やっと『天書の証明』の最新版の出版が決まりました.2018年に出版された原書の第6版です.
 翻訳は済んでいて,校正もほぼ済んでいますが,日本語第2版の表紙がまだ決まっていなくて,日本語初版のカバーで代用しています.普通ならそれも決まって,発行日も決まってから挨拶を書き直すのですが,実はまだ作業が一つ残っています.訳者まえがきを書かないといけないようで,それが進んでいないのです.
 自分で言うのも何なのですが,初版の訳者まえがきが翻訳書のまえがきとしてはあまりの美文になっているので,それに匹敵するような前書きを書く自信がなくて,書かなくてはいけないが書けないという焦りのせいで,書き出すことができません.
 それでまず,挨拶文を書いて,どんなまえがきにするかという踏ん切りをつけようというわけです.
 原書第6版そのものは手にしていません.出版社から送られてきたのはpdfだけです.pdfには表紙がありませんが,出版社のHPに行ってみると,版のところがSixthになっているだけで変わりはありません.版を重ねるたびに章の数も増え,この版では45章になっていますが,同じ「天書」だという心意味なのでしょうか.
 また日本初版では32章だったので,章数は1.4倍強です.また章の名前は同じでも内容が同じという章はほとんどありません.第6版の全文を訳すのと変わりがないどころか,細かい異動を見逃さないようにするのに注意が必要です.
 前回は次の仕事も控えていたので人名索引に十分な時間も割けなかったのですが,今回はゆっくりせねばならなかったこともあって,人名索引は可能な限り充実させました.それもこれも,ある意味,リハビリを兼ねていたからです.
 数学とも教育とも少し疎遠になっていたのですが,...離れていたというのではなく,取り組む気力が希薄になっていたのです.『天書の証明』の訳業はそのリハビリの機能を果たしてくれたようです.数学や教育を考えるときに何とはなしに薄いベールがかかっているような感じだったのですが,訳を進めていくうちに少しずつ数学に色がついて見えてきた気がしています.訳者まえがきを書き終えれば,こっちは終わり.実はちょっとしたきっかけがあって,積み残されていた仕事も動き始めました.こちらは大学での数学教育に関係したもので,アプローチが独特で,まあ,考える切っ掛けにはなってくれそうです.こちらが形になるのは今年度末がおおよその目安でしょうか.
 『天書の証明』の証明が数学に対するリハビリ効果があるのは,もちろんその内容にあります.数論,幾何学,解析学,組合せ論,グラフ理論の5つの章からなり,それぞれの分野の比較的初歩的な興味深いテーマが並んでいる.証明がテーマだから,ただの読み物ではなく,証明がある.追加されている項目やコメントには知らないことが多い.数学のプロにも,数学のマニアにも,昔学んで学びなおしたい人にも,今学んでいて興味が続かない人にも,それぞれの琴線に触れる部分がある.昔使った教科書を勉強しなおすといった人も,中々続かない学習意欲をこの本で掻き立てることもできる.
 一応すべてを理解するには大学初年級の微積分と線形代数を知っていた方がよいが,ほとんどは高校の数IIまでの知識があれば理解可能である.本書のような本はすべてを理解しようとしない方がよいかもしれない.パラパラと拾い読みするなり,目次を見て興味を引いたところを読むといった読み方もよいでしょう.特に気に入ったところを精読して,計算もやってみてというようにすれば,きっと理解ができ,楽しく思えるようになるでしょう.そうしたら,それに関連した章を探して同じことをしてみれば,いつの間にかほとんどの章を楽しむことができるようになるでしょう.かなり充実した事項索引と人名索引が付けてあるので,探すのには役に立つと思います.
 さて,数学の美しさには,理論の美しさ,事実の美しさ,証明の美しさがありますが,ファインマンが方程式の美しさを強調していることから,表現の仕方の美しさもあります.記号を導入して,状況を簡潔かつ完全に表す琴の美しさ.たとえば,理論のシンボルとなるような方程式,それは代数方程式かもしれないし,微分方程式かもしれないし積分方程式かもしれない.例えば,ニュートンの運動方程式は2階の常微分方程式だが,古典力学のほとんどのことはこの方程式から出てきます.電磁気学はマクスウェル方程式という偏微分方程式系を解くことに等しい.
 あまりにも簡潔で,それなのにあまりにも豊かであることが,軽々しい理解を拒絶するように見える.それぞれの方程式は理論の中核をなし,それを理解するだけでも多くの労力が要り,それを使うまでに習熟しようとすれば,それなりの専門家にならなければならないような気がするほどである.だから,記号が出てくるだけでそれ以上は学びたくなくなるという人も少なくない.
 本書は数学の素養のない人向けの啓蒙書ではないので,記号を使わないという選択肢は取っていません.しかし,簡潔に述べるために難しい記号を使うということもしていません.ある程度数学に慣れた人がじっくりと読んでいけば必ず理解できるようになっています.日本語初版のまえがきでも述べたように,数学者にとって美しいと思えるような証明を,初等的な組み立てに変えてしまうような配慮もしています.どちらが本当の『天書』に載っているかわからないところですが.
 何はともあれ,文章を書くことに対するリハビリもこの挨拶を書いてきたことである程度できたようなので,訳者まえがきに取り掛かることにしましょう.では,出版は年内というのは少し難しいでしょうが,年明けにはそろそろということになるのではないでしょうか.それを期待しつつ,とりあえず筆をおきます.


 挨拶の履歴

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 リンク集はもとのHPを始めた頃のものなので,多くは死んでしまったり,宿替したりしています. 今は一応昔のものを張っておきますが,おいおい,暇が見つかったら,リニューアルするつもりです.
 やっと,半分以上は更新しました.そこそこ役に立つでしょう.

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 カウンタの設置は2013年11月19日です.

カウンターを設置してからの訪問者の総数は
0034539
です.
ちなみに, 本日の訪問者数は 8で, 昨日の訪問者数: 6です.




 更新日は自動で入るようになっているのですが,なぜだか,半日くらい昔の時間になっています.計算機の時間は合っているんだけど.理由の分かる人,教えて下さい!!
 これもおかしな話ですが,今見ると直っていますね.サーバー側の問題だったのでしょうか?

管理者へのメール
  (管理日にしかメールのチェックをしませんので,早めの答をお望みの方は下のアドレスにお願いします)
 kanielabo●gmail.com(●を@に変えてお送りください.)
  実は何年も経った2018年1月半ばに,上のアドレスの綴りが1文字足らないものになっていたことがわかりました.友人からのメールが届いていなかったことから判明しました.上のものなら届くと思います.
 これまで,HPを見たことで受け取ってもよさそうなメールを受け取ってこなかったのです.定年で定職は失ったもののの自由業的な仕事に追われており,便りのないのがよい便り,くらいに思っていたのですが,こちら側のミスだったわけです.当研究所に御用の方々,どうも失礼をしました.これまで間違ったアドレスで送られていたかもしれないメールは一切受け取っていません.アドレスが違っていたのですから.
 こちらからの返事がないことで,ご不満やらご不審やらをおかけしていたようです.申し訳ありません.これからのことは,実際にメールが届くようになってから考えることにします.では,よろしく.