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読者の広場



内 容
名  前松本真吾
学籍番号鉄道総合技術研究所
題  名shingo@rtri.or.jp
コメント 大学を卒業して10年ほど経ちますが、この度、
「解析教程」を手にとって、その新鮮さに思わず
これを買ってしまった者です。

特に上巻がいい。日本の大学の微積分の教科書
は、ブルバキ的な公理主義、道を踏み外さぬ厳密
主義が身上だが、これでは、生の数学の発展の
仕方や、厳密性の必要性が認識しにくい。微積分
の教科書に必要だったのは、実にこの上巻のような
ものであったように思う。

また下巻の豊富な図版と実例による「反例説明」
もいい。一般的な理論を支えるのは、実に豊富な
実例と直観的なイメージだと改めて痛感した。

これからもこのような魅力的な数学書が、日本で
出版されることを望みます。

日  付Sun Jan 18 16:39:01 1998
コメント 初めての書き込みで、とても嬉しいですね。このページは特に人名索引がミニ数学者事典になっていて、高校までの教師の方や、数学愛好家の方に利用していただけばいいと思っています。
 もちろん、誤植発見の知らせや、不適切な言い回しなどの指摘も宜しく。(蟹江,Jan.19)

内 容
名  前N.A.
学籍番号 
題  名入門ラテン語
コメント はじめまして。
解析教程読ませていただいています。素晴らしい本をありがとうございます。 さて、本文に紹介されていたオイラー「入門」のラテン語を読もうとしています。
読むのに必要なラテン語の辞書などご存知でしたら、ご紹介してください。 お手数かけます。
「入門」の英語、仏語は第1巻は品切れでした。
お返事お待ちしてます。
日  付Sat Jan 24 23:24:00 1998
コメント これは直接e-メールで送られてきたものですが、内容的に秘密にするようなものでないし、関心のある人もあると思って、ここで返事を書かせてもらいます。
 さて、歴史的興味でオイラーのラテン語原本が読みたいのならお止めしませんが、 オイラーの数学に興味があるのでしたら、英訳で十分だと思います。Springerから出ていますので、数学書取り次ぎの本屋さんか、シュプリンガー・フェアラーク東京に聞けば手に入ると思います。僕も機会があれば訳してもよいとは思うのですが、さて、需要が見込めるかどうかですね。
 ところで、どうしてもラテン語で読みたいと思うのでしたら、と言っても、ラテン語の日本語の辞書は1冊しかありません。研究社から出ています。しかし、決して読みやすいとは言えません。ラテン語の文法の基礎をある程度以上勉強してからでないと単語を引くことも出来ませんし、正解の単語に出会っていても、そこにある訳語は適切なものとは言いがたいのです。それで、どうしてもOxford Latin Dictionary などの辞書を引くことになりますが、これがまた大変です。ラテン語は使用されている時期も長く地域も分野も多岐にわたっているので、言葉が非常に多義的で、変化形が多く、品詞すら変わっていきます。したがって、どの時代のどの地域での、というより誰のラテン語かが分かってはじめて意味が確定するということすらあるようです。つまり、ヨーロッパではラテン語の学習の歴史が長く、辞書は大変に詳しく、何処を見たらよいか分からない状態です。
 多分、僕がこの翻訳のためにラテン語の勉強をしてから翻訳したと、志賀さんがある書評でばらしてしまったので、僕に出来るのなら、何とかなるかと思われたのかもしれませんが、実はそんな簡単なものではありません。勉強しはじめたころに、さまよえるオランダ人のダイクハウゼンという数学者にシンポジウムで会う機会があり、彼にかなりの部分を、逐語的に英訳してもらいました。勿論それでは意味の通る文章になりませんので、文章上、数学上の意味から、ああでもないこうでもないと、議論していったのです。 それでもかなりな部分は未解決で、彼もあとで調べてくれたり、僕も考えたりで、そんな機会が2度ほどありました。
 ライプニッツのラテン語は特にひどく、対応する部分のフランス語訳が出ていることを知り、それも参考にしました。そのころには文法的なこともある程度分かるようになっていたので、同じ学部の哲学の人に文法的な解析をしてもらい、それを数学的に補うという形で訳したものです。
 このさいラテン語の勉強がしたい、という希望なら別ですが、Blantonの英訳を、そしてもしそんなことがあればですが、いつか出るかもしれない日本語訳をお読みになることをお薦めします。数学部分だけで、十分オイラーは面白いです。
 これで、お返事になっているでしょうか(蟹江,Jan.26)

 その後,initialにして欲しいというメールが来ました.質問自体がメールで来ていましたので, initialに直すことにしました. (2004.11)

もちろん,今では日本語訳がでています.「ほんの本のページ」をご覧ください.

内 容
名  前藤井
学籍番号
題  名fujii@mickey.club.or.jp
コメントMilnor の Topology from... についてです。

私が、ミルナーの「微分トポロジー講義」を初めて
読んだのは、今から13年程以前、アメリカの
大学院生時代でした。経済学の研究をしていたのですが、
素人の私でも、気持ちよく読み進むことが出来て、
とにかく爽快だった記憶があります。
もっとも独学の悲しさゆえ、結局、第7章の途中あたりで
挫折してしまいました。最近、書店で翻訳を見つけ、
懐かしい気持ちになり、おもわず購入してしまいました。
今度は、最後まで読むつもりで、学生時代の書き込みと
訳註を比べながら、楽しんでいます。

ところで、p13の訳註12で、
$h_{\varepsilon}(x, y, z)=\frac{1}{1-\varepsilon z}(x, y)$
となっていますが、これでは一瞬、
素人目には何のことか、すぐにはわかりませんでした。
ここは、むしろ、
$h_{\pm}(x, y, z)=\frac{1}{1\pm z}(x, y)$
と書いてくれた方がわかりやすいと思います。

以上、あまりお役に立てるコメントではなくて
申し訳ありません。しかし、どうか、この楽しみが
早く終わりませんように。(^^) では、また。

#それから、このページ、少々フレームの割合が
#良くないし、書き込みスペースも狭すぎると
#思いますが。...
端末IPIP-ADDR:202.213.144.75
BROWSER:Mozilla/3.01 [ja] (Macintosh; I; 68K)
日  付Mon Feb 22 22:58:27 1999

内 容
名  前藤井 一樹
学籍番号Rockwell Japan
題  名fujii@mickey.club.or.jp
コメント初めまして、藤井と申します。
ミルナーの本は、学生時代に読んだときには、
素人でも、すいすい読めるので、とても爽快だった
記憶があります。翻訳を書店で偶然に見つけたときは、
懐かしくて思わず購入してしまいました。
昔の書き込みと訳註を見比べながら、暇を見つけて
楽しみながら読み直しています。
以前は最終章の途中で挫折したので、
今度は最後まで読むつもりです。

ところで、第1章を読んだばかりなのですが、
いくつかコメントがあります。

まず、p10 「主張」で、初めて「線形空間の同型」
という用語が用いられるのだから、ここにも、
\dagger を入れるべきではないでしょうか?

つぎに、p13 の訳註12において、
h_{\varepsilon}(x, y, z)=\frac{1}{1-\varepsilon z}(x, y)
となっていますが、素人目には、一瞬何のことか
わかりにくいと思います。私も、ちょっと首をひねりました。
ここは、やはり、
h_{\pm}(x, y, z)=\frac{1}{1\pm z}(x, y)
とすべきだったのではないでしょうか?

最後に、p14の訳註14です。この訳註が何を言おうと
しているのか、私には、よくわかりませんでした。
ここで問題になっているのは、P(z)=0 に重解があるかどうか、
ではなくて、P(z)=0 に解があるかどうかですよね。

ならば、本文の証明で気になる所があるとすれば、
正則値 y に対し、#f^{-1}(y)=0 となるようなことが
ないことを保証しなければならない点だと思います。
これは、むしろ、次のような議論によって
示されるのではないでしょうか?

「仮に、正則値 y について #f^{-1}(y)=0 となったとします。
すると、f(x) は、常に臨界値を取ることになります。
そうであれば、本文の議論から、f(x) の値は
高々有限個になるので、P(z) の値も高々有限個になります。
ところが、P(z) は、仮定から、定値関数ではない
連続関数ですから、これは、明らかな矛盾です。
ゆえに、正則値 y に対し、#f^{-1}(y) は
常に正となります。」

以上、数学は独学で、まったくの素人ゆえ、すべては
思い違いの可能性大です。失礼とは思いましたが、
思い切って、書き込みさせていただきました。では。
端末IPIP-ADDR:202.235.156.134
BROWSER:Mozilla/3.01 [ja] (Macintosh; I; PPC)
日  付Wed Feb 24 13:09:08 1999

内 容
名  前竹田 宏紀
学籍番号徳島文理高校
題  名koki-takeda@pop12.odn.ne.jp
コメント 解析教程の上巻を読ませてもらっています。とてもいい本だと思います。
 僕は、高校生なのですが、大学の数学の内容に興味を持っても、高校の数学とは、かなりのギャップがあり、また、周りには気軽に質問できそうな人が存在しないため、数学書を読み通すことは難しいです。
 しかし、この本は、至る所で、わかりやすい説明と、眺めているだけで楽しい図がたくさん載っているので、常に興味を絶やすことがありません。
 今は、解析概論と共に読んでいます。前とは違って、この本と平行して読み進めるだけで、とても書いてある内容がわかりやすくなりました。(例えばdx、dyの個々の定義付けを書いている部分が、非常に読みづらいが、この本を読むことで、初めて分かった)
 今度は、下巻の方にもチャレンジしようと思います。
端末IPIP-ADDR:143.90.239.89
BROWSER:Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 4.01; MSN 2.5; Windows 95)
日  付Wed Feb 24 18:16:20 1999

内 容
名  前藤井一樹
学籍番号fujii@mickey.club.or.jp
題  名微分トポロジー講義について2
コメント藤井です。

p14の訳註14が何を言おうとしているのか、
なんとなくわかりました。本文の証明は、
f が onto mapping であることを、
f の正則値でのみ、示しているだけなので、
臨界値では、どうなのか?、という疑問が
あり得るかもしれないことを心配しているのですね?

でも、それは臨界値の定義から明らかだから、
本文ではわざわざ証明していないわけで、
そうならば、もっと、そのように
明確に書くべきではないでしょうか?
これでは、かえってわかりにくい印象を持ちました。

次に、ようやく第2章まで読み終わったのですが、
p22の訳註15には、ミスプリがあるのではないでしょうか?
最初と2番目のP_1(x) は、P(x) とすべきで、
最初の不等号の右にある P(x) は、すべて
P_1(x) にしないといけないのではないでしょうか?

以上です。失礼しました。
端末IPIP-ADDR:202.235.156.134
BROWSER:Mozilla/3.01 [ja] (Macintosh; I; PPC)
日  付Sun Feb 28 12:13:38 1999

内 容
名  前藤井一樹
学籍番号fujii@mickey.club.or.jp
題  名微分トポロジー講義について3
コメントこのところ忙しかったのですが、
ようやく4章まで読みました。

少し前に戻るのですが、p12訳註10にも
ミスプリがありますね。
(x, y)\in R^n は、(x, y)\in R^2
でなくてはいけません。

今日は以上です。では。
端末IPIP-ADDR:202.235.156.134
BROWSER:Mozilla/3.01 [ja] (Macintosh; I; PPC)
日  付Tue Mar 9 15:53:35 1999

内 容
名  前藤井一樹
学籍番号fujii@mickey.club.or.jp
題  名微分トポロジー講義について4
コメント第5章を読み始めました。
以前読んだときにも、オリエンテーションは
ややわかりにくい印象があって、そのときは、
Guillemin-Pollack を読んだりしたのですが、
今回は、わりにすっきり頭に入りました。
(2度目のせいかも?)

ところで、
p40の下から3行目の文章は何ですか?
これは、原書にはありませんよね。
ミスプリにしては、あまりにも堂々としています。(笑)
では、また。
端末IPIP-ADDR:202.235.156.134
BROWSER:Mozilla/3.01 [ja] (Macintosh; I; PPC)
日  付Wed Mar 10 15:09:50 1999

内 容
名  前藤井一樹
学籍番号fujii@mickey.club.or.jp
題  名微分トポロジー講義について5
コメント今日は、質問があります。

p43の補題2の証明で、[0,1]\times M^n としている
所です。ここは、原書でも確かに、この通りなんですが、
本当にこれでいいのでしょうか?
私も昔読んだときには、特に気にならなかったらしく、
何も書き込みがないのですけど、ここで、
何故、M の n-product を考える必要があるんでしょうか?
単に、[0, 1]\times M とすれば十分だと
思います。それとも、何か、とんでもない
勘違いをしているのでしょうか?

最近、蟹江先生はお忙しくて掲示板を読んでないのかも
しれませんが、もしお答えをいただけると嬉しいです。

では、また。
端末IPIP-ADDR:202.235.156.134
BROWSER:Mozilla/3.01 [ja] (Macintosh; I; PPC)
日  付Thu Mar 11 15:58:11 1999
コメント失礼しました.ちょっとしたプログラムミスで書き込み先が別のところになっていました.以降は本のページの方へどうぞ.ちょうど2刷りのための訂正を入れる時期で,参考にさせていただきました.これからも宜しく。
 ところで,ご明察のとおり,忙しくて掲示板を見回る時間がなかなかとれません.
 ご質問にお答えします.貴方は正しいし,本も間違っていません.ここでの M^n は単に M が n次元であることを表示しているだけなのです.横で見ている佐波君に,訳註に書きましたか?と冷やかされました。^-^!
1999.3.11

内 容
名  前藤井一樹
学籍番号fujii@mickey.club.or.jp
題  名微分トポロジー講義について6
コメント先ほど、読者のページ掲示板に
書き込みさせていただいたのですが、
文字化けしてしまいました。

重複しますが、心配なので、こっちにも
同じ内容を書いておきます。

さて、
やはり、M^n の n は、M の次元のつもりでしたか。
おそらく、S^n という記号法をx流用するような気持ちなんでしょうね。でも、この記号はここだけにしか使われていないから、
むしろ、翻訳では、素直に M のままにすべきではなかったでしょうか?(もっとも、勝手に原書を改変するわけにも行かないし、Milnor 本人はどう考えているのでしょうか?)

さて、それはともかく、話題変わって、p44 の下から4行目、「ユークリッドノルム」というのはどうなんでしょう?
原文では、euclidean inner product ですよね。
ここは、「ユークリッド空間の内積を使って表すと」
というように翻訳すべきでは?

それから、p45の訳註2 です。これは、本当に
背理法の仮定ですか?

ここでは、S^n 上で0とはならない接ベクトル場が存在することと n が奇数であることの同値性を証明するのが目的です。

そこで、まず、そのようなベクトル場が少なくとも1つ存在すると
仮定すると S^n 上の antipodal map と identity mapの間に homoptopy が構成出来るので、p44の上から14行目のステートメントを考慮するなら、 n が奇数であることがわかる。逆に、n を奇数とすれば、条件を満たすベクトル場が直ちに構成出来る、という論法です。

だから、特に背理法を使った証明のようには
見えないのですが。....

P.S. なお、私のつまらない書き込みに、反応して下さって大変嬉しいです。もう一度、お礼申し上げます。
端末IPIP-ADDR:202.235.156.134
BROWSER:Mozilla/3.01 [ja] (Macintosh; I; PPC)
日  付Fri Mar 12 12:56:55 1999

内 容
名  前藤井一樹
学籍番号fujii@mickey.club.or.jp
題  名微分トポロジー講義について
コメント「解析教程」掲示板に書き込みすると
やはり文字化けします。私の方のミスなのかも
しれません。それで、同じ内容を前と同様に、
以下に書いておきます。

===============================

藤井です、お久しぶりです。
このところ、出張などで忙しく書き込み出来ませんでした。

それでも、5章を読み終わってから、いきなり
7章をざ〜っと読みました。以前は、この章
で挫折したのですが、今回は、割に、
すーっとわかったような気がします。でも、
昔は、自分の理解力の限界がこのあたりではないか、
と思い、7章はミステリアスに見えたのですけど、
こうして読んでみると、なにか人工的な感じがして、
少しがっかりしました。

それで、今は、6章に戻って、読み直しているのですが、
この章が、実は本書のやまですね。なかなか、
手強いです。個人的には、p47で、z^k の指数が
k になることなども、何か訳註でもあれば有り難いと
思いました。むろん、よく考えれば、わかるのですけど。

詳しいコメントはもう少し時間があるときに、また、
書きます。とりあえず、ミスプリを2つ指摘しておきます。

p53下から4行目と下から2行目にある、dv_x は、どちらも、
dv_z (xをzに置き換える)でなければいけないはずです。

以上、では、また。
端末IPIP-ADDR:202.235.156.134
BROWSER:Mozilla/3.01 [ja] (Macintosh; I; PPC)
日  付Fri Mar 26 14:10:39 1999

内 容
名  前藤井一樹
学籍番号fujii@mickey.club.or.jp
題  名第6章について
コメント文字化けを避けて、やはり
こちらに書きます。

藤井です。さて、ミスプリを2つ指摘してから、
6章についてコメントします。
まず、p54下から6行目 dw_{h(i)} は dw_{h(u)} で
なければいけません。p58上から12行目 \bar v =
となっているのは、\bar v : の間違いです。
いずれも、ごくマイナーな記号上の誤りです。

さて、どうにか6章を読み終わりましたので、
感想のようなものを書き込みさせていただきます。

実は、訳註10、12、16に不満があります。
最初の2つは、特にホモロジー群について
述べているのですが、これを読んだとしても、
ホモロジー群を知らない読者には、
ほとんど理解不能です。このような
ものなら、必要ないのではないでしょうか?
むしろ、付録Dの予備知識用語集の所で、
より詳しく解説すべきだったのでは?
そもそも、この付録D は、はっきり言って
本書を手にとって読もうとするような人間には
いらないと思います。
むしろ、6章のように、やや高度な概念を
使っていたり、証明のスケッチだけであるような
部分を補足する方が意味があったのではないかと思います。
少なくとも、ホモロジー群の正確な定義を与えて欲しかったです。

そして、訳註16です。原文を見ると、a theorem
of Hopf となっていますので、これが、すでに
本の中で述べられた、いずれかの定理を指すものでは
ないことは明らかです。ですから、ここで指摘されて
いるような混同は起きていないと思います。
しかし、注意そのものは、はたして正しいのですか?
それとも、訳註16で述べているように修正する必要があるのでしょうか?
それがあいまいでは、読者はよけい混乱するだけです。
そこをはっきり書いていただきたかったと思います。

以上、今回はやや厳しいことを書きました。
失礼をお許し下さい。では、また。
端末IPIP-ADDR:202.213.144.30
BROWSER:Mozilla/3.01 [ja] (Macintosh; I; 68K)
日  付Sat Mar 27 22:57:55 1999
お答えホモロジー群の件ですが,難しいですね.ホモロジー群の定義は種々の状況に合わせて,種々の定義があります.コホモロジー群との相性の問題もあります.色々な定義のホモロジー群が,色々な条件下で同値であることが,まず理解されないと,定義だけ書いても仕方のないものになるのです。それで,敢えて,これだけは何も書かなかったのです。
 そして附録Dの問題ですが,確かに昔なら,あなたの言われる通り,この本を読もうと思う程度の人なら知っている筈のことで,なぜ書くのかと思われるかもしれません。 しかし,今大学で教えようとするなら,要るのです. 悲しいことですが,それが必要でない人だけを相手にするということは,学生を失うに等しいのです.
 多少きれいごとで言うならば,附録Dを必要とする人にも,本書を読んで欲しい,読んで本物の数学の本当の喜びを知って欲しいということなのです。 決して,本屋から,そうしないと売れないですから,と脅かされたわけではありません.

内 容
名  前藤井一樹
学籍番号fujii@mickey.club.or.jp
題  名Final Comment
コメント藤井です。ミルナーの本に関しては、
今日で、最後の書き込みにします。

ようやく付録 A も含めて、本文はすべて読み終わりました。
とても楽しい機会を、有り難うございました。
感謝しています。7章に関しては、特にコメントは
ありません。最後に、p83 にあるミスプリを指摘しておきます。
Lang の本の英語タイトルに1つだけタイプミスがあります。
Diffrential => Differential です。

蟹江先生、お元気で。
端末IPIP-ADDR:202.235.156.134
BROWSER:Mozilla/3.01 [ja] (Macintosh; I; PPC)
日  付Wed Apr 7 16:44:39 1999

内 容
名  前室井 幸典(むろい ゆきのり)
学籍番号大阪予備校 専任講師 数学担当 〒556-0011 大阪市浪速区難波中3-7-23 Tel 06-6647-7311 Fax 06-6641-9508
題  名
コメント 去年のこと、鳴門教育大学の修士在籍中(当時)の友人が「 $pi$ の無理数性の証明 (Lambert の手法の改良)」という趣旨の論文(Monthly の記事だったと思う)を紹介した。 そのとき「Analysis by its History にもとの Lambert の証明のことが載っている」と私が言うと、 「それは翻訳が出ている」という指摘がありました。
あれから1年以上が経ち、今年も夏の合宿が近づき、そこでのレポートの内容を考える時期になり、今年は、受験生が悩む「複素平面上の点の変換」に因み、一次変換では有名 すぎるので 「ジューコフスキー変換」で行くべしと決めました(入試問題での出題例もあるので)。 内容は2つ。1つはもちろん等角写像における位置付けの紹介。 そのネタは、昔懐かし、スミルノフの高等数学教程。 もうひとつは Arnold 大先生の「Huygens and Barrow, Newton and Hooke」の付録にある 「楕円軌道の証明」。 とはいえ、前者の特に流体力学との関連についてはよく知らぬので、今井 功先生の著書などを 狙って本屋に物色に行った。すると、なんと、かの Arnold 大先生の本の翻訳があるではないか! またしても蟹江先生の翻訳。
1年前の「Analysis by its History」のことを思い出し、こうしてメールを送る次第。
なお、自己紹介が遅くなりましたが、
久しく大阪府立高校で教鞭をとっていましたが、おもうところあって予備校に転じて3年目です。 上記の文中の「合宿」とは高校の教員を中心とした有志による数学の合宿です。 もう15年以上続いています。 ひょっとすると京大の「植田 隆巳」君をご存知ではありませんか?私は彼の一学年上です。
なお、「パイオニアたち」の人名索引のなかで「Sophus Lie」が「Sophos Lie」となっています。
日  付Wed Apr 7 16:44:39 1999

内容
名 前 ヤマナカ ヨウイチ
学籍番号
題 名 「微分トポロジー講義」の理解できない部分
コメント
わからない個所は、
P36 の真ん中よりも下あたりの
 「・・・が成り立ちます.それゆえ,各 F_t は R^n から自分自身の上への微分同相です.」
という一文です。
 
微分同相であることがわからないのです。F_t が微分同相であるためには,定義から
   「同相に写し、滑らかである」
ことを示せばよいのだと思うのですが、できません。
 
「同相」を示すには、F_t が全単射で連続であることをみる。
 x=x(t) が一意的に存在する => F_t  全単射 ???
 
もうここからは樹海に迷い込んだような状態です。
日 付 Thu Dec 20 13:56:03 2001
返 事 おそらく,数学の本格的な教育を受けられなかったか,まだ受けておられない方のご質問だと思われます. そのような方の場合には,通常はなんでもないことが,とても険峻な障害に思われることが起きがちです. そんな場合に,知ってそうな人でも知らないそうな人でも,委細構わず尋ねて廻るのも一つの方法です. そうしているうちに,自然に自分で分かってしまうことが結構あります. 人に質問するとき,特に事情のわからない人に説明していると,自分が分かっていることと分かっていないないことが,自然に自分にも分かってくるものなのです.
 正規の教育を受けたとしても,受ける側の意識が低いと,忘れてしまいがちなことも多い.後で思い出したいと思っても,何を思い出すべきかがわからない.そういうことで,数学から離れて行ってしまう人がきっと多いだろうと思います.だから,数学の質問だったら(出来れば大なり小なり,僕の本に関係しているとありがたいですが),僕に聞いてください.暇があったらお答えします.暇のないときまで答えることを強要されても困りますが,実際には質問されていることに気がついていないこともあるので,そういう場合には何度でも質問してください.
 さて,この質問をこのまま,どのように考えても決して分かりません. 情報が足らないからです. 本を持っている人は36ページを開いてください.
 冗談を言っているのではありません.このページは読者のページですから,本を持っていない人は見ていないはずだからです.でも,一応出先で見ている人のために,言葉の説明だけしておきましょう.
 $F_t$ とは何かです.多様体上のベクトル場の解を与える微分同相です.あ,「同相」が問題だったのですね.  ベクトル場 $v$ が多様体上に与えられている. 点 $x$ を始点とする解軌道の $t$ 時刻後の位置を $F_t(x)$ と書いているのです. $v$ に与えられている滑らかさの仮定から, $F_t(x)$ が $x$ に関しても $t$ に関しても滑らかであることは分かっているとします.これが 1) です.
 さて,同相を示すために使っていない条件は何でしょう.2)は $f_0 = Id_M$ であるということですね.だったら,3)しかありません.
 全単射であることがほしいのですね? だったら逆写像があればいいのですね? 逆写像が具体的にわからなくても全単射であることだけが分かればいいのですか? それはそうでしょうが,そういうことはあまり起こらないのですよ.つまり,全単射が欲しければ,むりやりにでも逆写像を作ろうと努力してください.作れれば結構.作れなくても正しいことなら何とかなるかもしれない.
 さて,今の場合,3)から $F_t$ の逆写像が $F_{-t}$ であることは明らかです. しかも,ちゃんと過去に向かっても $F_t$ が定義されると書いてあります.過去に向かっても滑らか.だから,微分同相.
 これだけです.
 
 ではまた,       蟹江 2001.12.21

 内 容
名  前billy budd
所  属会社員
題  名hai40020@par.odn.n.jp
コメント「数論の3つの真珠」第1版第1刷の第1章を読んでいて気がついた点をお知らせします。

p.12の§4で長さq_{k-1}の区間がn_{k-1}個並んでいるとき、その中に
同じタイプの区間が等間隔でl個並んでいることを直ぐには納得できず
訳注を見たのですが、p.13の訳中の5行目の
「...全く別に区間δ={1,2,..,n_{k-1}}を考え...」とあります。
長さq_{k-1}の区間にもδ_iという記号を使っているので紛らわしく、意味の上からも
長さq_{k-1}の区間の番号付けなので別の記号にすべきと思いました。
δ_iの番号iが1からn_{k-1}=N(k^{q_{k-1}},l)まであるので、δ_i,i=1,..,n_{k-1}をk^{q_{k-1}}通りにクラス分けしたとしても、iの列{1,2,..,n_{k-1}}の中に長さlの等差数列が存在するとわかり、その結果δ_iの列の中に区間として同じタイプのものが長さlの等差列
として存在していることが示されるという風に理解しましたが如何でしょうか?

日  付Sat Oct 1 12:20:05 2005

 内 容
名  前笠原久弘
所  属「黄金分割」読者
題  名JCA01250@nifty.ne.jp
コント「黄金分割」の内容についての質問
1ページ 「1.1 <黄金分割って何?」の冒頭のところの「図1の例では、正三角形、正方形、正5角形、円が描かれているが、A,B,Cという点の間の比(つまり、ABに対するACの比)がいつも同じであることが分る」のなかの「いつも」というのはどいうことですか。
1 何かを変化させたとき「いつも同じである」ということ
2 a),b),c),d)の「どの場合も同じである」ということ
3 あるいは1、2とは別のこと
でしょうか。
理解力不足で申し訳ありませんが、よろしくご教示ください。
また、図1のa)における直線はどういう位置にあるのでしょうか。これも分りませんのでご教示ください。
日  付Mon Apr 24 20:53:21 2006 黄金分割って何?」の冒頭のところの「図1の例では、正三角形、正方形、正5角形、円が描かれているが、A,B,Cという点の間の比(つまり、ABに対するACの比)がいつも同じであることが分る」のなかの「いつも」というのはどいうことですか。
1 何かを変化させたとき「いつも同じである」ということ
2 a),b),c),d)の「どの場合も同じである」ということ
3 あるいは1、2とは別のこと
でしょうか。
理解力不足で申し訳ありませんが、よろしくご教示ください。
また、図1のa)における直線はどういう位置にあるのでしょうか。これも分りませんのでご教示ください。
日  付Mon Apr 24 20:53:21 2006
お返 事2です.
 このページは本全体の宣伝のページで,状況がはっきりと指定してありません.「想像して下さい,面白いでしょう」という著者からのメッセージなのです.でも,それでは分かりにくいだろうと思ったので,下に註を付けておきました.引用箇所に精確な設定が書いてあります.  図1のa)における直線も,一番素直な見方をすれば,辺の中点を通っているということになります.設定をちゃんとここに書こうかとも思ったのですが,著者の意図を汲んで,読者の想像に任せることにしました.

 内 容
名  前飯野 真也
所  属山梨県立中央高校
題  名一般化された算術幾何平均の不等式について
コメント天書の証明の第16章不等式の中に上記の不等式の印象深いという証明が載っています。しかし、次のようにやれば、もっと簡単で初等的に出来ます。
 不等式の左辺はa1x1+・・・+anxnで、右辺をx1のa1乗、・・・、xnのan乗の積としてn
についての帰納法でやります。n=2のときの不等式は容易に示されます。いま、
     a1x1+(a2x2+・・・+anxn)
において、括弧からa2+・・・+anを因数として出して、n=2の不等式を適用すると、右辺としてx1のa1乗とx2,・・・,xnの或る簡単な式のa2+・・・+an乗との積が出ます。この式の方はn-2の不等式が適用される形をしています。それを適用してやると、指数がうまく消し合って、x2のa2乗、・・・、xnのan乗の積が出ます。こうしてnのときの主張が示されました。 

もし連絡をいただけるようでしたら、中央高校 電話055−226−4411
日  付Mon Jun 1 15:29:51 2009
お答えお答えにはならないと思いますが,少しだけ.ここまでの3つの質問は完全に文字化けをしていて読めなかったので,忙しさに,フォントの変更をする手間が掛けられず,失礼しました.
 さて,申し訳ありませんが,僕にはまったく論理が追えませんでした.まず,主張が何なのかもよくわかりませんでした.p.145の10行目の不等式のことだとは思うのですが,それと,上の議論がどう結びつくのか分かりませんでした. 色々と推測してみた結果を下にpdfファイルにして貼っておきます.
 n=2の場合は容易と書いてありますが,それほど容易にも思えません.確かにこれを認めれば,後は初等的に帰納法で示せます.n=2の場合は,対数関数か指数関数の凸性を使えば一言で済みますが,それには2回微分までの議論を使うのが標準的です.
 本書に紹介してあるアルツァーの証明は,n=2の場合も込めて一度に示すのを,更に微分を2回使うのではなく積分を1回使うだけでよい形に書いているという点が,証明として洒落ているのです.当然,対数に関することなので,積分は1/tの積分を利用しているのはもっともなことです.  では,曲解になってなければいいのですが,恐らく質問者の意図はこうだろうということをリンクしておきます.この議論は非常に標準的な議論であることを申し添えます.

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 電話055−226−4411は中央高校の代表電話のようですね.貴方が相談員の先生なのか,生徒さんなのか分かりませんが,電話したらどう言えば貴方に繋がるか分からなかったので,掲示板でお答えしました.
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