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RIMS研究集会 教育数学の一側面−高等教育における数学の規格とは-


教育数学


 教育数学が何かと言うことは容易なことではないが,教育数学が何でないかははっきりしている. なぜ,教育数学という言葉にこだわっているのか,うまく説明できるかどうかわからないが,やってみることにしよう.
 僕が教育数学ということを公的に言挙げしてから5年ほどが経った. 京都大学数理解析研究所の共同研究事業の一つとして、何年か引き続いて教員養成系の大学での教育のあり方を議論している. その中で,教育とは何かをあからさまに考える必要が起きてきた.そのときに数学教育という言葉を使うと,これまでの数学の教育に関してさまざまに行われた議論やら運動やらが,教育の議論で使われる言葉の背景に立ち上がって,内容を歪めてしまったり,数学全体のことではなく,現在や過去の教育現場のさまざまな経緯が議論の色合いをかき消してしまうようなことになる. 教育学部に長年勤務してきた数学者の集まりだから,「教育の問題に数学者なんかが何かを言っても,現場を知らないものの戯言だ」というような非難はされないが,それでも何かしら自己規制するような気分は抜けない.
 もちろん,長く教育学部に勤務してきて,


 「教育数学」第2回シンポジウム
 プログラム


第1回「教育数学」シンポジウムの記録(数理解析研究所講究録1801)
 世界的に数学の教育のことに,プロの数学者が真剣に考え,それらを議論するシンポジウムが開かれている.数理解析研究所RIMSのアメリカ版ともいうべきバークレイのMSRIでも何度もシンポジウムが開かれている.我が国では一度もそのような形でのものが開かれていないので,,ともかく一度でも開くべきだと考え,それによって教育数学という考え方を発信しようと思って企画したものである.
 多くの講演者には「教育数学とは」何かを話さないまま(話すと講演を引き受けてもらえない可能性があったが),真剣に数学の外からも数学とその教育の問題について語ってもらいたかったのである.
 それでも教育数学を銘打って研究集会を開催し,講演を依頼するには何かしらの情報を伝えておかなければならない.それを模索したのが,下の2番目と3番目のパンフレット.実際には誰にも見せたことのないものだが,佐波君とこういうもののを書いていく中で,少しずつイメージが固まっていったことには違いがない.そういう高調子を抑えて,実際に講演予定者に送ったのが,下の1番目のパンフレットである.第2回の開催趣意書とあまり変わっていないのは,教育数学が進歩していないということではなく,まだまだ広く知られていないということを自覚しているということである.

 ○第1回のときの開催趣意書: 楽屋話も残っているが
 ○教育数学の再生を目指して
 ○教育数学とは何か(第2案)



   数学教師に必要な数学能力形成に関する研究 Research on cultivation of mathematical abilities desirable for mathematics teachers,RIMS 共同研究報告集(数理解析研究所講究録1657)
   数学教師に必要な数学能力に関する研究 Research on mathematical abilities desirable for mathematics teachers RIMS 共同研究報告集(数理解析研究所講究録1711)
   数学教師に必要な数学能力に関連する諸問題 Research related with mathematical abilities desirable for mathematical teacher RIMS 共同研究報告集(数理解析研究所講究録1828)
  数学教師に必要な数学能力とその育成法に関する研究 Research on mathematical abilities desirable for mathematical teachers and methods of cultivating them RIMS 共同研究報告集(数理解析研究所講究録1867):2013年12月.
  数学教師に必要な数学能力の育成法に関する研究 Research on methods of cultivating mathematical abilities desirable for mathematics teachers, RIMS 共同研究報告集(数理解析研究所講究録1920):2014年


●教育数学を意識する前
 今考えてみると,その頃に書いたものにも,教育数学的意識を持っていたように見える. 興味があるようなら,そのリストを挙げておくので,ご覧ください.

●教育数学を意識し始めてから
  • 蟹江幸博+佐波学「もうひとつのエルランゲン・プログラム ― 今、クラインに学ぶ ―」,日本数学協会第6回年次大会資料集(2008.8.24). メモ程度のものなので,掲載を省略.本論文は次の次のもの.
  • 蟹江幸博+佐波学 『エルランゲン就任講演にみるクラインの数学観について--試論--』三重大学教育学部研究紀要,第60巻,教育科学(2009), 219--236.
  • 蟹江幸博 『臨床数学教育を夢見て--黒木哲徳氏退職記念数学教育シンポジウムにて--』福井シンポジウム(2009.1).
  • 佐波学『Hans FreudenthalとHyman Bassの数学教育について』福井シンポジウム(2009.1).
  • 蟹江幸博『教師教育における数学者の役割』京都大学数理解析研究所講究録No.1657(2009),1--22.
  • 蟹江幸博+佐波学 『数学と教育の協同--ハイマン・バスの挑戦--』京都大学数理解析研究所講究録No.1657(2009).
  • 蟹江幸博+佐波学『教育数学序説--古代における教育と数学の類型--』三重大学教育学部研究紀要,第61巻,教育科学(2010), 187--218.
  • 蟹江幸博 『教師教育における数学者の役割II』京都大学数理解析研究所講究録No.1711(2010), 1--11.
  • 蟹江幸博+佐波学 『数学教師に必要な数学能力とは何か---戦前における数学教師養成の一断面---』京都大学数理解析研究所講究録No.1711(2010), 12--48.
  • 蟹江幸博+佐波学 『「専門基礎としての数学」とは何か---教育数学の必要性---』京都大学数理解析研究所講究録No.1711(2010), 49--88.
  • 蟹江幸博+佐波学 『教育数学の方法論的基礎(I)』 三重大学教育学部研究紀要,第62巻,教育科学(2011)), 115--134.
  • 蟹江幸博+佐波学 『教育数学の諸相( I )--- 数学の多様性 --- 』 三重大学教育学部紀要, 第63巻, 教育科学, (2012), 335-- 352.
  • 蟹江幸博 『RIMS研究集会『教育数学の構築』(2011/02/07-2011/02/10)---開催の経緯について---』,数理解析研究所講究録1801(2012.7), 1--14.
  • 蟹江幸博 『教育数学の位置づけ』, 数理解析研究所講究録1801(2012.7), 93-108.
  • 蟹江幸博 『教育数学のめざすもの』, 南九州大学数学教育シンポジウム(2012.2),4ページ(パワーポイント原稿).
  • 蟹江幸博+佐波学 『教育数学の諸相( II )--- 数学の教育的側面 --- 』 三重大学教育学部紀要, 第64巻, 教育科学, (2013), 177 -- 191.
  • 蟹江幸博 『教育数学構築の歩み--半ばを過ぎたか?』, 南九州大学数学教育シンポジウム(2013.2.17),10ページ.
  • 蟹江幸博+佐波学 『教育数学から見た「算術條目及教授法」』,数理解析研究所講究録1828(2013.3), 1--49.
  • 蟹江幸博 『教育数学を構築する--言語学と教育数学』, 南九州大学数学教育シンポジウム(2013.8.20),10ページ.
  • 蟹江幸博+佐波学 『言語学から教育数学を構想する』,数理解析研究所講究録1867(2013.12), 4--81.
  • 蟹江幸博+佐波学 『第0班の成果--教育数学の構築』,「共同研究の成果についての教育現場を交えての討論・報告」 数理解析研究所講究録1920(2014.11), 160--182のうちの4-8ページ
  • 蟹江幸博+佐波学 『数学の教育の個人的側面と社会的側面--教育数学の構築に向けて--』,数理解析研究所講究録1920(2014.11), 4--73.
  • 蟹江幸博 『教員養成と教育数学』, 南九州大学数学教育シンポジウム(2015.2.16),35ページ.
  • 蟹江幸博 『教育数学の方法を求 め て--- 「型式」と「枠式」 ---』, 南九州大学数学教育シンポジウム(2016.6.5),13ページ.
  • 蟹江幸博 『数学の多様性と普遍性 ― 教育数学の試み』(RIMS研究集会『教育数学の一側面 --- 高等教育における数学の規格とは --- 』報告集)数理解析研究所講究録2021(2017),??:2014年2月の研究集会のもの;講究録が発行されてからページを入れます.
  • 蟹江幸博+佐波学 『『幾何的直観と対称性-』の教育観と数学観 (I) --- 教育数学における「方法」の探求 ---』(RIMS共同研究『数学教師に必要な数学能力を育成する教材に関する研究』報告集)数理解析研究所講究録20??(2017) :講究録の巻号も未定です
  • 蟹江幸博『幾何的直観と対称性--幾何的直観は養成されうるのか?--』数理解析研究所講究録(RIMS共同研究『数学教師に必要な数学能力を育成する教材に関する研究』報告集)20??(2017) :講究録の巻号も未定です:すぐ上の論文の直後に掲載予定.

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