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 予想と定理


人名索引総目次
素数定理中国剰余定理
バナッハ・タルスキの定理バナッハ・フォン・ノイマンの定理ビーベルバッハの定理ピュタゴラスの定理
フェルマの定理フェルマの小定理フェルマ・ワイルズの定理ボヤイの定理
4頂点定理


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素数定理
π(x) を2からxまでの素数の数とするとき,
   x 
   π(x) 〜−−−−−  (x−>∞)
  log (x)

が成り立つ.
 ガウスによって予想され(1792),多くの数学者が攻略に参加し,1896年に複素関数論を用いて,J.アダマールド・ラ・ヴァレ・プーサンが独立に証明した.ランダウが大幅に証明を簡略化(1903). 長い間解析的な証明しか知られていなかったが,1949年にこれもまた独立にエルデシュセルバーグにより,整数論的関数の初等的評価のみを使った証明が与えられた.初等的とはいっても,簡明というわけではない.

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中国剰余定理
mとnを2以上の互いに素な自然数とし,iとjを任意の整数とするとき,連立合同式
   x ≡ i (mod m)
   x ≡j (mod n)
を満たす整数xがmnを法として一意的に存在する.

 中国の算術書『孫子算経』に由来すると言われている.
 繰り返せば,mとnの数は2でなくてもよく,3,5,7に対して適用すれば,105=3*5*7を法とした合同式の一意解が得られ,百五減算と呼ばれる.

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バナッハタルスキの定理(パラドクス)
1つの(3次元の)球体は,適当に分割して組み合わせることによって,元のものと同じ球体を2つ作ることができる.
 1926年,数学雑誌Fundamenta Mathematicaeに載ったSur la decomposition des ensembles de points en partiens respectivement congruentという論文は,非常に大きな反響を与えた.
 選択公理が具体的な定理に本質的に使用されたからでもある. 「空間では体積というものが定義できない」ということでもある.
 これは平面のときは成り立たない.多角形に対してはボヤイの定理が成り立つし,一般の有界な平面図形に対してもバナッハ・フォン・ノイマンの定理が成り立つ.
 
バナッハフォン・ノイマンの定理
有界な平面図形に対して,面積を定義することができる.

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ビーベルバッハ予想(ルイ・ド・ブランジュの定理)
単位円盤の内部(|z|<1)で,正則単葉な複素関数 f が級数 f(z) = z + a2z2 + a3z3 + ... + anzn + ...で与えられ,ある n に対して |an| > n となっていれば,f は単位円盤の内部で 0 になる.

 
ピュタゴラスの定理
直角三角形の3辺(a,b<c,cは斜辺)に対して, a2+b2 = c2 が成り立つ.
 メソポタミアやエジプトの時代から事実としては知られていた.個々の事実を理論に結晶することが古代ギリシャ数学の最大の功績であり,中でも意味ある最初の結晶として得られたものだが,ギリシャ数学の,特にピュタゴラス学派の内的整合性を打ち壊すものとなったことは皮肉である.
 古い定理ということもあるが,この定理には数百もの証明が知られていると言う.

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フェルマの定理
あらゆる素数 p≡1 mod(4) は2つの平方数の和である.
 ジラールにより推測され(1632),1640年のフェルマからメルセンヌへの手紙の中で証明したことが述べられている.

 
フェルマの小定理
素数pと,pと互いに素な整数aに対して
       ap-1≡1 mod(p)
が成り立つ.
 証明はライプニッツによって初めて与えられた.RSA暗号に応用されている.

 
フェルマワイルズの定理(フェルマ予想とかフェルマの最終定理と呼ばれていた)
n≧3に対して,an+bn= cn を満たす整数の組 (a, c, c) は (0, 0, 0) のみである.


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ボヤイの定理
面積の等しい多角形は分割合同である.
 非ユークリッド幾何で有名なヤーノシュ・ボヤイの父ファルカシュ(=ボルフガング,1775.2.9-1856.11.21)が示したもの.ボヤイが定式化して1833年にゲルウィーンは証明したものと言われている.またボヤイとゲルウィーンが1833年と35年に独立に示したという説もある.1807年にウォレスが同じ結果を証明しているということもあり,ウォレス・ボヤイ・ゲルウィーンの定理と呼ばれることがある.

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4頂点定理
平面の凸な単純閉曲線は少なくとも4つの局所最大点を持つ.



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 人名索引の中で触れた予想や定理を挙げて行く予定である. リクエストがあれば応じるので,kanie@edu.mie-u.ac.jp(@を@に直してお使いください)へメールして下さい.